「才能なし!」の夏井いつきの『超カンタン俳句塾』

バラエティー番組『プレバト』をいつも楽しみにしている。とくに好きなのが俳句コーナーで、芸能人の「才能アリ!」の句に関心して、「才能ナシ!」の句に大笑いし、夏井いつきの辛口の批評と添削に、なるほど、と感心している。
そういう自分はといえば、私の俳句ですといえる句を作ったことがない。まず自分で一句作らないとスタートラインに立てないようです。

『超カンタン! 俳句塾』:夏井いつき

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本の第一部は、脳科学者の茂木健一郎の対談をはさみながら、夏井いつくが”俳句のしくみ”と”初心者の俳句の作り方”をわかりやすく説いている。

無知だった自分が、”そうだったの!”とマーキングして引用編集した箇所です。初心者が俳句をつくる大ヒントです。

「一物仕立て」と「取り合わせ」

俳句の作り方を大別すると「一物仕立て」と「取り合わせ」の二つの方法があるそうです。知りませんでした。一物とは季語のことです。

紅梅や枝々は空奪ひあひ  鷹羽狩行
白梅や父に未完の日暮れあり  櫂 未知子

「紅梅」の句が「一物仕立て」、「白梅」の句が「取り合わせ」です。

「一物仕立て」には、観察力、観察を続ける根気、そして独自の表現力が要求されます。一方「取り合わせ」は、ある季語に、それと一見関係ない季語以外の言葉を取り合わせる作り方です。

それでは、
夏草や兵どもが夢の跡  芭蕉
この句は「取り合わせ」の句ですね。

初心者は「取り合わせ」で作る

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「取り合わせ」の基本

[五音の季語] +[季語と関係ない十二音のフレーズ(俳句の種)]

  1. 最初に俳句の種を作る。どんなことでも俳句の種になります。新しい視点、発想からオリジナルな「俳句の種」作る。五感をフルに使い、新鮮でオリジナルティのある発想や自分らしい表現を見つけだしてください。
  2. 「俳句の種」に合うイメージの季語をつけ加える
    十二音のフレーズで伝えたい思いを、五音の季語に託すのです。

    見つけた「俳句の種」を育て、季語の力で俳句という花を咲かせるには、季語の意味や性格をよく知っておくことが必要です。それには『歳時記』と仲よくならなければなりません。

茂木健一郎が対談で俳句と脳について述べている

俳句は脳を鍛える、発想力を広げる、満足感を与える、そして認知症になりにくいそうです。対談の中から、マーキングして抜き書きした箇所です。

俳句の間口は五七五で小学生でも詠めるくらいなのだけれど、奥行きは深い一生かけても極められないものだといえる。これが脳にはとていいのです。

夏井先生が、月を詠もうとされていたときに背景の空が夜でも青い、ということに気づかれた。そのことが、いままで知っていたことと思っていたことと、実際に体験していたこととの差にほかならないのです。そしてその差が深いものであるほど、ドーパミンが放出される。—–すなわちその瞬間、夏井先生の脳は強くなった。

子どもは毎日発見がありますよね。だから小さな出来事にも感動する。けれど、大人になるとひらめきと気づきの階段を上るのが難しくなってくるのですが、俳句がそのきっかけになるのではないかと僕は思います。

細かいさまざま変化を見分けることは、人間の脳の進化においてひじょうに大事なことだといわれています。俳句を通して、日常のちいさなことからひじょうに深い人生の真実までを発見すという経験を積み重ねられた脳は、漱石の場合のように、小説(散文)を書くことにも応用できるのです。

バイリンガルの方は、認知症になりにくいというデータがあります。日本語のほかに多国語を併用するというのは、それだけ脳内の言語の回路を強く使っているわけなので、認知症になりにくいということなのです。—-日常のより散文的な日本語と、俳句的な日本語を使うときの脳の領域が異なるのです。これは、ある種、バイリンガルじゃないかと思いますね。

大目次

はじめに:俳句を知ると世界が変わる!
第一部:俳句こそ人生だ 対談 茂木健一郎x夏井いつき
第二部:辛口先生の俳句道場
第三部:これぞ才能あり!

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