『日記力 日記を書く生活のすすめ』:阿久悠
いつも意気込んで日記をつけ始めても数ヶ月と続きません。本屋でこの本を開いたら、“アンチロマンの日記” という言葉が目に付きました。私にも日記が続けられるヒントがありそうです。
自画像は出さず、アンチロマンな書き方
阿久悠は大学生の頃に書いていた日記を全部焼き捨て、一度は日記と決別しました。理由は、「自画像」を、悲観的な心情を書き過ぎて、読み返すのも嫌になったからです。ところが、1980年の忘年会で演出家の鴨下信一から、一冊の革張りの日記帳をプレゼントされたのがきっかけで、ふたたび日記をつけ始め、23年間一日も欠かさずに書き続けたそうです。
ただ、阿久悠は日記を書く一定のルールを決めました。
アンチロマンスタイル
- つまり日々の不快を排除し、自画像は出さず、感傷的な記述を極力避けた書き方です。
阿久悠の日記憲法5箇条
- いい子でもなく、わるい子でもなく、冷静な観察者としての日記というものは成立しないものだろうか。
- レストランのメニューから米大統領の演説まで、およそ興味を覚えたものは、同格に書けないものか。
- 日々の不快を排除したら、それはもう日記と呼べないものであろうか。
- 受けるもの、発するものと、1頁のなかでたたかわせられないか。
- 今日があり、世界があり、そして、自分がありという書き方ができないか。
その他
- 日記は1頁とする。気がついたこと、気になる話題はメモにする。
- メモからベスト5のニュースと話題を選択する。話題のジャンルにとらわれず、トップを決める
- 今の日本の天気を記録するように株価と為替を記録している。
- 数字がある話題は、数字を書く。
自画像を書かなくても、過去の日記を読むと、選んだニュースからその時の自画像が見え、マクロ、ミクロの話題、情報を同レベルに扱うことによって、観察、「感察」力が養われ、作詞創作の原点になった、と述べています。
作詞家阿久悠の原点、作詞にまつわるエピッソードなど、エッセイとして読める一冊です。
私は昨日と今日の変化にも疎くなっています。阿久悠のルールをヒントに、書き続けることができる日記のスタイルを考えたいと思います。
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