稲畑汀子の『俳句入門』読んで

『俳句入門』:稲畑汀子

俳句を書こうと思ったことは何度とあります。たった五七五の十七文字なのに、自分の俳句と言えるのは一編もありません。俳句に限らず、いま見ているものを言葉で写生できない自分にいらいらします。つまり、自分の脳にあるものが出てこないのではなくて、もともと写生表現できる語彙が少ないのです。そんなことで、対象を深く見て、季題(季語)、言葉を探し、推敲を重ねてつくる俳句が、欠損している言語のレセプターを増やしてくれるのではないか、と思い、俳句の本を読んでみました。

著者の稲畑汀子は日本最大の俳句結社「ホトトギス」の主宰を継承、現在は名誉主宰、朝日俳壇の選者でもあります。祖父は高浜虚子です。
入門書としてこの本を選んで良かったと思います。俳句の伝統を正当に引き継いでいる本だと思えたからです。

大目次です。

  1. 入門・投稿俳句のための十二章
  2. 実践・俳句の作り方
  3. 歳時記と季の言葉
  4. 自然を詠うー花鳥諷詠の心
  5. 客観写生とは何か
  6. 虚子の俳句
  7. 芭蕉の俳句
  8. 心の風景を詠うー私の(汀子)の俳句

1の「入門・投稿俳句のための十二章」を読んで、私がマーキングしてたところは、

  • 「切れ字は俳句にとって非常に大事なものである。最近は切れ字があると古めかしいと嫌う傾向があるようだが、それは誤りである。たとえ切れ字がなくても切れ字の心を忘れてはならない。」
  • 「初心者は出切るだけ名詞を最後にして言い切るようにすれば、「切れる」ということが徐々に分かってくるだろう。」
  • 「大変苦労して言葉を選び、それでも余る部分を泣く泣く省略しなければならない」
  • 「高浜虚子は平明にして余韻がある句を良しとした。余韻は省略によって生まれる、省略されて内容以上のものである。」
  • 「感情言語を使って成功しないこともないが、自分の感情を述べるよりも、その感情を誘った事物をそのまま叙する方が、かえって強く読み手に訴えることが出きる。」
  • 「たった十七音で宇宙の本質に触れる深い認識、深く広く湧き上がる詩情を詠うためには認識なり感情なり触発した一瞬の対象の姿を詠み止めるしかないのである。」
  • 「説明しないで事実を述べる。そのことで省略が効き、かえって一句の背景がよく見えてくるのである。」
  • 「推敲とは、表現を平明にすること」
  • 「客観写生とは対象を深く見ること。ーーー虚子が言ったように深は新なり。」
  • 「推敲する時には、作者は一度作品から離れ、一読者として句の意味がはっきり通じるかどうかを見直す必要がある。」
  • 「第一流の句、あかない句、品格およい句は、何百句という中にあって決して人目を眩ますような特異の光彩を放っているものではない。」

まだ本の1/4です。これからが面白くなります。

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